わがまま科学者の英語講座

科学系の英語だけでなく、広く「英語」についての話題

論文執筆

ディスコースマーカー(その9)時、順番

対比の3回目は、時、順番です。 時間とは幻想である 2018年5月初旬の新刊書Carlo Rovelli の「The Order of Time」という本が話題になっています。これまでもしばしば主張されてきたことですが、「時間とは幻想である」。 Nature誌の書評から。 というわけ…

ディスコースマーカー(その8)違い

今回は、「違い」の表現。 文章や論文を書く時は、何かを較べて、違うということを示す作業が大切です。米国の大学では、学生のレポートや論文書きなどを支援する専門のスタッフを配したWriting centerみたいなものが非常に充実しています。こんな教育を受け…

ディスコースマーカー(その7)同一、類似

このシリーズ、次は「対比」です。以下の4回分の内容があります。 1.対比(同一、類似) 2.対比(違い) 3.対比(時, 順番) 4.対比(場所, 位置) 今回は、同一、類似。同一は同じということ。 一方、類似というのは、似ている、ほぼ同じということなのでし…

ディスコースマーカー(その6)結論

追加、例示、強調、順接、逆接と考えてみましたが、今週は、「結論、まとめ」です。結論というのは、文章の最後や、最後のパラグラフの最初に使うようなものが典型でしょうか。 ところで結論というのも考え出すと、そんな単純なものではありません。 こうい…

ディスコースマーカー(その5)逆接

前回は順接でしたが、今回は、but, however, althoughなどの「逆接」です。逆接とは、前と後が逆の関係にあったり、前の内容から予想されることをくつがえす、というような論理の接続です。 ここで確認しておきたいのは、逆接というのは、しばしば主張の強調…

ディスコースマーカー(その4)順接

追加、例示、強調と考えてみましたが、今週は、「順接」です。順接というのは、文や句の前後が、理由、目的、原因などの順当な関係になっている論理です。簡単なものでは、「〜について」「〜に関して」という言い回しも含まれます。 理由と目的はしばしば分…

ディスコースマーカー(その3)強調

今回も簡単なディスコースマーカーで「強調」です。 「とりわけ」「重要なことは」などという言い方ですが、そのものを強調するやり方と、比較して間接的に強調するというやり方があると思います。 bizacademy.nikkei.co.jp 強調 especially particularily s…

ディスコースマーカー(その2)例示

今回も簡単なディスコースマーカー。for exampleに代表される 「例示」です。 例示とは、「例えば」「〜のような」ということなのだと思います。でも、考えてみると結構深いです。例えば、日本語で、 「コーヒーでも飲みませんか?」 と言いますが、この「で…

ディスコースマーカー(その1)追加

ディスコースマーカー(談話標識)は、文脈の流れや構造、文と文との論理関係を表す単語や句です。簡単に言えば、つなぎや論理の言い回しです。論理の展開が大切な論文執筆では、非常に重要であるのは明らかです。 Discourse marker - Wikipedia 高校レベル…

論文を書く(その4)

今回は、バイオ基礎系を中心に、いろいろな雑誌に掲載されていた論文の書き方の案内みたいなものをまとめてみました。今まで、こういうものをまとめてみたことはなかったのですが、結局、既に紹介した「The Science of Scientific Writing」 とStrunk-White …

論文を書く(その3)

今回は、自然科学分野の学術論文を書くという点では、直接役立つというわけではないが、何かの参考になるかもという「Caltech Rules カリフォルニア工科大・ルール」について。 CALTECH RULES FOR WRITING PAPERS HOW TO STRUCTURE YOUR PAPER AND WRITE AN …

論文を書く(その2)

今回は、ハーバード大学化学教室のWhitesides教授 (1939-)の論文執筆指南の紹介です。 ジョージ・ホワイトサイズ - Wikipedia ホワイトサイズ教授に聞く: プラズマナノテクノロジー Whitesides教授のラボがあるハーバード大学の建物。 Whitesides教授の論文…

論文を書く(その1)

しばらく前にネイチャー誌に「How to write a first-class paper」 という記事がでていました。既に読まれた方もいるかもしれません。 www.nature.com この記事の中でも紹介されているAngel Borjaさんによる論文の書き方の指南。 Angel BorjaさんのTwitter。

シソーラスとコーパス(その2)

今回は、英語論文のための表現集の紹介です。最近、ネットで時々話題になっていますが、まとめてみました。まず、ネットで話題になっていた英国マンチェスター大学のMorley博士の作製したサイトです。 The Academic Phrasebank Dr John Morley http://www.ph…

シソーラスとコーパス(その1)

改めて言うまでもありませんが、英語論文を書くときは、同じ単語や似た言い回しを同じパラグラフの中では繰り返し使わないというのが原則です。おそらく、珍しい単語(専門用語以外)ですとパラグラフどころか、論文の中で一回使ったら2度と使わないくらい…

科学文章作製の科学(その3)

わかりやすいサイエンスライティングのための「The Science of Scientific Writing」という記事についての「その3」、最終回です。 繰り返し言っているのは、文章の意味は、書き手ではなく、読み手が解釈することで決まるということです。その1とその2で…

科学文章作製の科学(その2)

サイエンスライティング指南の「古典」のようにも言われる「The Science of Scientific Writing」という記事についての「その2」です。 文章の意味は、書き手ではなく、読み手が解釈することで決まる。この観点から、読み手を想定し、読み手がよりよく理解…

科学文章作製の科学(その1)

日本語ですと、サイエンス系文章の作製では、「理科系の作文技術(1981年)」が昔から有名で、今年になって、その「まんが」バージョンができたようです。 さて、英語のサイエンス系の文章作製で、前回紹介したParamedicメソッドとともに有名なのが、サイエ…

Paramedicメソッド

日本語の文章では、よく「起承転結」というのが良い文章だとされています。ところが、英語の文章、特に米国の文章では、例えば起承転結を使う朝日新聞の天声人語なんていうのは「悪文」の典型であると判断されると聞いたことがあります。「起」として、余分…

Harvard style citationって何?

論文中の文献の引用の仕方については、学術雑誌によって、いろいろなスタイルがあります。よく見かけるのは、以下の2つのタイプでしょう。 一つ目は、文章中に数字で入れて、最後に番号順で示すというもの。例えば、NatureやScienceなどは、このスタイルを使…

引用中の省略

Ellipses 普通の英語論文では目にしないのですが、総説などでは、普段見かけないような「スタイル」を見かけることがあります。今回は、引用文中の省略。 以下、シカゴ・マニュアルから引用しておきます。 1)文中での省略 http://www.chicagomanualofstyle…