わがまま科学者の英語講座

科学系の英語だけでなく、広く「英語」についての話題

英語の発音:優れたイヤホンを利用しよう

当たり前ですが日常会話、議論、そして学会でのポスターの説明、口頭発表含めて、科学研究者でも英語を話すことはとても大切です。

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もちろん、ネイティブのように発音する必要はないですし、世界各国から来た人がそれぞれ特徴ある発音をしていればよいと思います。ところが、私が日本語話者の英語による発表を聞いていると、聞き取りにくいことがしばしばあります。その最大の原因は、子音の弱さであると感じます。例えば、s,t,f,kなどの音が弱いために、条件が悪いととても聞き取りにくいのです。

 

破裂音 plosive (/p/, /t/, /k/, /b/, /d/, /g/) 、摩擦音 fricative  (/f/, /v/, /θ/, /ð/, /s/, /z/, /ʃ/, /ʒ/, /h/) 、破擦音 affricate (/tʃ/, /dʒ/)、歯擦音 sibilantのような音がしっかりとでていれば、雑音が多い条件でもよく聞き取れます。

 

これは日本語では、こういう音が存在しないか、弱いということであると思います。つまり、こういう音を普段からよく聞いていないことに原因があるのではないか。今回は、このような音を普段からよく聞くために、優れたイヤホンを利用するということを説明してみたいです。

 

ヘッドホンHeadphoneやイヤホンEarbudsも、音楽好きの方なら、非常に高価で何万円もするものを利用していることも多い。一方、iPhoneなどに付属している安いイヤホンをそのまま利用しているような人もいる。一般に、高価すぎるイヤホンは、低音が重視されているため、声の音域(中高音)が抑え気味になっていることが多く、話し言葉を聞くのにはむいていないことが多いです。また、安いイヤホンも中高音が弱く、解像度が悪いため、子音の音が十分聞こえない場合が多いです。

 

そこで特に子音の再生に優れているイヤホンの利用が大切だと思います。今回は、2点紹介しておきます。

 

Final社のE2000。耳の奥までいれるカナル型です。Final社のものは、E3000というものもありますが、中高音で優れているのはE2000。100時間くらい使っていると、音が変化していきます(エイジング、Burn-in)。音楽再生でも、ポップス、ジャズ、器楽曲などにはとてもよいです(大規模なオーケストラには向かない)。

 

次が、Shure社のSE215というもの。これもカナル型ですが、装着は配線を耳の後ろに回すいわゆる「Shureがけ」という装着をするものです。SE215には、低音を強調したスペシャルエディションというもの(色が、青と白)も出ていますが、音声を聞くのによいのは「黒、透明のオリジナルのSE215」の方です。密閉度が高いため、外の音を遮断して、集中するのにも適しています。人気が高いためか、偽物も流通しているようですので、ご注意を。。

音もよいので、音楽の再生にも満足できるものであると思います。ケーブルを交換することで、ブルーツゥース型にもすることができます。

いずれにしても、こういう優れたイヤホンを利用して、子音をよく聞くことが大切かもしれません。