わがまま科学者の英語講座

科学系の英語だけでなく、広く「英語」についての話題

アカデミックな語彙を増やす(その3)入試レベル

前回までは、高校程度の単語について紹介してみましたので、今回から大学レベルの教養単語の話題です。そういう単語をどうやって知るか、ということです。


日本の英語教育でとても残念なのは、こういう単語のリストがほとんどネット上で見つからないということだと思います。例えば、大学受験に必要な単語集みたいなものの、コピペ自由なExcelファイルやpdfファイルなんていうのは、ネット上で探してみたのですが見つからない。あっても意地悪く、コピペ不可能になっています。こういうのは本として多数販売されているのですが、なぜ、コピペ自由なリストがネット上にないのでしょうか。オープンアクセスの時代、こういうのを盛んにすれば、日本の若い人達の英語学習も楽になると思うのですが。。
 
さて、ここで話題にしているのは、こういう日本の高校英語ではなくて、米国の大学院卒のネイティブ教養人のレベルの研究者になろうということです。それには、まず、大学や大学院の試験で大切だとされる単語を憶える必要があるでしょう。というわけで、大学や大学院入試で必要な単語というのを学ぶというのが大切であると思いますので、どんなものがあるのか、ということになります。
 

Test of English as a Foreign Language (TOEFL®):有名な外国人向けの英語テスト。外国人向けなので、単語はかなり簡単で、参考にはほとんどならない。
 
Graduate Record Examinations (GRE®):一般の大学院、ビジネス・スクール受験のためのテスト。

Law School Admissions Test (LSAT®):ロー・スクール(大学院)受験に要求されるテスト。

Medical College Admissions Test (MCAT®):メディカル・スクール(大学院)受験で要求されるテスト(米国では、メディカルスクールは大学院から)。

Graduate Management Admissions Test (GMAT®):ビジネス・スクール(大学院)受験のためのテスト。

SAT®:大学受験に要求されるテスト。英語の比重が高い一般的な試験。

ACT®:大学受験に要求されるテスト。SATにない科学のテストがあり理数系の比重が高い。
 
IELTS:これは英国の英語検定試験。米国の大学受験にも利用できることが多いと思います。)


当然ですが、準備するための受験参考書が多数販売されているので、それを参考にすればよいわけです。ただ、単語のお勉強ということにだけ関しては、それを専門にしたサイトがあります。上で紹介したSAT, GRE, MCATと「word」を検索すれば、沢山のサイトが見つかるはずです。
 
例えば、このvocabulary.comの「GRE High Frequency Words」(330語あまり)は有名な単語リストだそうです。他にも、いろいろなリストがあります。このサイトを使って、勉強するというのも一つの方法でしょう。

www.vocabulary.com

 

ここでは、このリストを自分の表計算ソフトに移すやり方を紹介しておきます。

1)自分のアカウントを作製する(無料)。
2)使いたいリストを探し、自分のアカウントに「Copy this list to」->「New List…」を使って移す。
500語以上あるリストも、ここまでは大丈夫。
3)「Edit as a List」というところをクリックすると、単語がコンマで区切られた一覧が表示される。これをコピーする。
4)ワープロソフトにペーストする。
5)Replace機能を使い、コンマをスペースに変換する。
6)ファイルをテキストとして保存し、それをエキセルなどの表計算ソフトに取り込む。
7)行と列を変換したい場合は、行をコピーし、特殊ペースト機能を使って「列」に移す。
 
もうひとつ紹介しておきたいのが、magoosh.com。
これはこれらの試験を受けるための準備サイトですが、この会社の用意している単語リストの評判が高いようです。ネットで調べると、あちこちで閲覧できるようですので、ご覧になってみてください。これを見ると、バイオ系研究者がまず身につけるべき単語は、GRE、MCATくらいであると思われます。