わがまま科学者の英語講座

科学系の英語だけでなく、広く「英語」についての話題

高校生物用語の英語を学ぶ

いきなりですが、テストです。

(1)以下の生物用語を、それぞれ英単語にしてください。
潜性 (遺伝学)
細胞内共生
動物相
新生代
延髄 (2語に)
重力屈性
コケ植物
寄生
 
(2)以下の生物用語を日本語にしてください。
blastula
apoptosis (カタカナで)
physiognomy
diencephalon
hypocotyl
transpiration
eutrophication
Cenozoic
angiosperm
phloem
 
動物、植物の用語が混じっていますが、20点満点で、スペリングも間違えずに満点を取れた人はなかなかすごいのではないか、と思います。
 
先日、日本学術会議が、日本の高校で学ぶべき重要用語のリストというのを作りました。最近、優性、劣性を止めて、顕性、潜性になると、話題になった報道の元資料です。これには、対応する英単語もリストになっています。もちろん、細胞Cellなど、とても簡単なものも含まれていますが、上のテストの答えも掲載されています。

高等学校の生物教育における重要用語の選定について (512語) 
平成29年(2017年)9月28日 日本学術会議 
(以下のリンクをクリックするとpdfファイルが、ダウンロードできます)。 

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-h170928-1.pdf

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-h170928-1.pdf

 
なお、このpdfファイルは使いにくいと思いますので、Excelファイルを作ってみました。こちらからダウンロードできるようにしておきました。
 アカデミックな語彙を増やすということで、こういうExcelファイルを作ってみたらどうか、という一例としてご参考にください。

 

whether they be

“whether they be"
be動詞を原形で使う。この場合のbeは、areで置き換えても同じであると思うのですが、一つの聞こえのよい言い回しなのでしょう。
 
ここで議論されていました。
以下引用。
"Jane Eyre, by Charlotte Bronté
All men of talent, whether they be men of feeling or not; whether they be zealots, or aspirants, or despots -- provided only they be be sincere -- have their sublime moments, when they subdue and rule."
 
From an article in U.S. Medicine, published June 26, 2007
http://www.usmedicine.com/dailyNews.cfm?dailyID=324 

"To date, much of our focus has been on leaders, getting them to write plans and to exercise plans for their organization, whether they be private sector or government," Dr. Agwunobi said."
 
Googleで以下のフレーズを検索してみてください。
"whether they be private sector or government”

 

アカデミックな語彙を増やす(その2)「英検初段」を目指そう

ネイティブですと、英検1級の語彙力が、小学校卒業程度ということですが、現実に、英検1級合格という小学生もいるようですので、そういうことなのだと思います。つまり、英検1級は、学術的な深さなどなくても大丈夫だということでしょう。
 
しかし、私は、日本では、こういう表層的な英語力ではなく、学術、教養に基づいた深い英語力を身につけた人を増やすべきなのだと思っています。それが、英検初段です。目指すのは、ネイティブの教養人レベルであるべきなのです。
 
以下に、前回がネイティブの小学校卒業程度でしたので、今回は「おそらく中学生程度」が身につけるという語彙を挙げておきます。どれくらいの単語がわかるでしょうか。

100 Words Every Middle Schooler Should Know - Vocabulary List : Vocabulary.com


adversary, aplomb, apprehensive, aptitude, attentive, banish, barricade, bluff, brackish, brandish, circumference, commotion, concoction, conspicuous, contortion, counter, cunning, debris, defiance, deft, destination, diminish, disdain, dismal, dispel, eavesdrop, egregious, ember, emerge, engross, exasperation, exhilarate, falter, foresight, fragrance, furtive, grueling, gusto, habitation, hasten, headway, ignite, illuminate, impending, imperious, jabber, jargon, jostle, jut, kindle, knoll, luminous, malleable, materialize, meander, meticulous, misgiving, momentum, monotonous, multitude, muster, narrate, obscure, ominous, outlandish, persistent, pertinent, plenteous, potential, precipice, pristine, quell, recluse, recuperate, replenish, repugnant, restitution, sabotage, scarcity, scurry, serenity, sociable, somber, specimen, stamina, subside, swagger, swarm, tactic, terse, translucent, uncanny, unsightly, versatile, vigilant, vulnerable, waft, waver, weather, zeal

上のリストにある単語の中にも、日本で見かけるような単語集には掲載されていないものがあるかもしれません。つまり、ネイティブの中高生のレベルで、既に日本語では勉強できない状態になっているということだと思います。今回は、こういうレベルに近づくための態度のような7つのことを紹介してみたいと思います。
 
1) 単語帳を作る。
先回も紹介しましたが、エクセルのような表計算ソフトを利用して、そのようなものを作っていくと便利です。
 
2)憶えようとする単語に制限を作らない。
これは日本の受験英語の影響だと思うのですが、重要1900語の単語集を憶える。ところが、その単語帳に載っていない単語は、重要でないので憶えないという態度ができてしまっている。こういうのは、ダメであるということです。見かけたものは全部わかろうとする、そして憶えるという気持ちをもつことが大切です。これは、日本語を考えてみればわかりますが、わからない日本語の単語を見かけたら気持ち悪くて気になりませんか。それと、全く同じ気持ちを持つということです。
 
3)単語リストは複数利用する。
一つの教材だけをひたすら何度もやるというのは、ダメです。基礎段階(例えば、単語数5000くらい)なら、一つの単語リストを何度もやるということでよいのです。ところが、高度な単語が増えてくると、一つのものではカバーできないし、リストの内容が非常に異なってくるので、一つのものではカバーできないです。また、違った状況で単語に出会うことで、記憶が強化されるということもあります。どんな教材があるのか、というのは、次回紹介したいと思います。
 
4)意味を勝手に推測しない。
今は、電子辞書、コンピュータ、オンラインの辞書がありますので、利用しましょう。よく単語を推測する力を強調するような英語教材がありますが、これは間違えて憶える危険性があるのでやめた方がよいです。普段の英語学習では、別に試験を受けるわけでもないので、辞書を使えばよいのです。
 
5)英語(英英)の辞書を使うべきです。
ある程度(おそらく1万語以上)のレベルになると英和辞書に載っていないような単語もでてくるはずです。英和辞書には、よく使われる重要な意味がほとんど記載されてなかったり、間違った意味が書かれています。また、日本語でもよくわからないようなこともしばしば。。私は、日本の英語辞書製作者の英語力を疑っています。日本の英語学者って大丈夫なのでしょうか。それと、最初は、一つの単語に一つの一番簡単な意味をつけて憶えるのがよいと思います。
 
6)具体的なイメージをつかむ。
単語が憶えられない最大の理由は、イメージがない事柄を憶えようとするからです。これを解決する一つの方法は、グーグルの「画像サーチ」を利用するという方法です。単語で画像をサーチすると、いろいろな画像がでてきます。その画像をよく見ていきましょう。
 
7)読む。
これは、もう言うまでもないですが、とにかく読む。おそらく、自分の得意分野については、科学論文も含めて、比較的初期に知らない単語がないという状態になると思います。例えば、バイオ系研究者ですと、Cellというような雑誌1冊で、知らない一般単語(非常に限られた分野の新語や専門語は除く)が1つでも出てきたらダメです。そして、意識的に違った分野の文章を読むようにすることも大切です。もし時間がない場合は、新聞や雑誌の記事の「タイトル」だけでも見るというのは単語力を付けるのに効果的です。例えば、NYタイムズなどは、毎日、タイトルだけ無料で送ってくれるサービスをやっています。こういうのを利用して、毎日、タイトルだけでも見るということをしていくとよいです。タイトルには、工夫をこらした難しい単語が使われていることが多いのです。また、世界情勢なども知ることができて、視野が広がることは間違いありません。

 

アカデミックな語彙を増やす(その1)基礎

今回から数回にわたって、英語の語彙力を増やすということについて触れてみたいと思います。日常的に科学研究をしていて、論文を書く、英語で研究者と連絡を取るなどという場合、必要とする語彙力というのは、おそらく1万語(日本の英検でいうと、準1級から1級の間くらい)であると思います。日本国内で英語を使って生きていくという程度でしたら、これくらいで何とかなるでしょう。ただ、論文でも、総説などでやや難しい語彙がでてくる文章、新聞記事などを読み書きするには、1万語では不足かもしれません。

ところで、1万語という語彙がネイティブの英語使用者にとって、どの程度なのか、というと、実は「小学校卒業」レベルであると言われています。小学校卒業レベルの語彙力では、大学院卒のネイティブの教養人科学研究者に太刀打ちするというのは、どう考えても苦しい。

 

そこで、純ジャパ(生粋の日本人)の私としても、やはりネイティブの教養人に太刀打ちできるくらいの語彙力に近づきたいと思うわけです。そのために、私がやってきたことというのを、次回以降紹介したいと思います。

 

1)自分の語彙力のレベルを知る

まず、自分の語彙力のレベルをおおよそ把握してみましょう。アルク「レベル別語彙リストSVL12000」というのがあります。この1万2千語のうち、レベル別でどれくらい知らない単語があるでしょうか。1万語レベルでも、知らない単語が多数でてくるとなると、まだ「小学校卒業」レベルにも達していないということになると思います。

 

www.alc.co.jp

 ちなみに私のレベルは、レベル12になると、数個知らないものがあるという感じ。。まだ努力が必要です。ただ、必ずしもアカデミックではないようなものも多いという印象です。

 

2)語彙などを収集したエクセルファイルを作る

語彙や表現を増やしていくには、やはり単語帳のようなものが必要だと思います。私が、おすすめしたいのが、エクセルファイルというか、表計算のソフトを利用して、そういうものを収集したファイルを作っていくことです。これを作っておくと、メモにもなりますし、後で整理したりするのも容易になります。

 

3)まず基礎を確認する

何ごとでもそうですが、やたらと難しいものをやる前に、基礎を確認することが大切です。日本でも高校生が使っているような単語集やDUO3.0、あるいはTOEIC用のものがあると思いますが、こういうものはアカデミックな文章を扱うための語彙ではないものが多いので、科学研究のために利用するというものとはやや違うと思います(日本でよく利用されているこういう教材が、如何にも「日本人一般向け」という感じになってしまっているのは残念だと思います。)。また、エクセルに記録するということで、ESL関連で古くから利用されている定番の単語リストというのが知られています。ここでは、そういうものを3点紹介してみたいと思います。

 

New General Service List(2800語)

General Service Listというのは、1953年にできたもので古いものですが、数年前にその改訂版のようなもので、New General Service List(2800語)というのが発表されています。これは、おそらくセンター試験レベルという感じなので、研究者が参考になるようなものではないでしょうが、大学などで教えている先生方にはもしかしたら何かの役に立つかもしれません。

www.newgeneralservicelist.org

 

University Word List(808語)

よりアカデミックな内容を考慮した語彙を集めたのが、University Word List(808語)というもの。大学水準のアカデミックな文章で使われる語彙を集めたものということですので、大学生は必須でしょう。ただ、自然科学の文章ではなく、もっと広い範囲の語彙ということで、自然科学の文章に馴染みのある人には?というものもあるかもしれません。

About the UWL

 

Academic Word List(570語)

 このUWLから、更に絞ったのが、Academic Word List(570語)です。これは2000年に発表されたリストですが、絞ったことで、アカデミックらしい単語が集まっているという印象を受けます。

 

Academic Word List | School of Linguistics and Applied Language Studies | Victoria University of Wellington

 

次回は、「英検初段」を目指そう、という内容を予定しております。

 

 

ネガティブな単語

科学研究者というのは、論文や日常的な文章を読みますが、文学的な文章などを読む時間が少ないと思います。米国人が教養人のようになるための単語集などを眺めていると、科学的な文章で見かけるような単語については、非常に高度なものを知っている。ところが、「ネガティブな意味を持った文学的な単語」というのに弱いと感じます。こういう単語がでてくる文章というのは、あまり読まないので、身につかないということでしょう。

 

そこで今回は、そんな単語。英語を使う教養人なら当然知っているという単語集です。いくつわかりますか?

科学論文ではまず見かけない単語ですが、科学研究の現場では。。。

 

chicanery  ごまかし

sycophant  おべっか者

parvenu  成り上がり者

hebetude 愚鈍

pettifogger  いんちき弁護士

canard  流言, 虚報

doctrinaire  空論家

turpitude  卑劣

hauteur  横柄

scaramouch  ほら吹き

penury  赤貧

tatterdemalion  ぼろを着た人

picaresque  悪漢もの

demimonde いかがわしい連中

thersitical 大声で口ぎたない

diatribe こきおろし

 

 

タイポ

 fury

トランプ大統領が言った「Fire and fury」(「炎と激怒」)

。。

 メイン州の新聞のフロントページが話題になっています。

 フロントページのタイトルにTypoがある。。

 

furryというのは、毛皮furの形容詞で「毛皮のような」。。

www.merriam-webster.com

 

一方、furyというのは

www.merriam-webster.com

 

そして、更に。。

 

Doctor

"doctor"

日本で報道されているこのニュース。SCIENCE誌も報道しています。

www.sciencemag.org

ここで気になった単語。doctorという動詞。

www.merriam-webster.com

 

ずっと下の方をみていくと、動詞の用法がありました。

「to change (something) especially in order to trick or deceive people」

手元のリーダーズ(研究社)にも。

「 〈計算などを〉ごまかす, 〈文書·証拠などを〉不正に変更する.」

 

それにしても、doctorの動詞がどうしてこういう意味で使われるようになったのでしょうか。。

 

OEDを見ても、よくわかりませんでした。

http://www.oed.com/view/Entry/56299?rskey=FWoMEI&result=2&isAdvanced=false#eid

お別れの朝食会

Farewell breakfast

 
旅立つ人を送り出す。日本ですと、追いコンとか、最後の飲み会とか、そういうことになる。たいていは、夕方から夜の催しになると思います。Farewell partyというのでしょうか。。
 
米国では、Farewell lunch、つまり昼食会というのも多い。アルコールを飲む人もいますが、あまりそういう人もいないので、昼間からアルコールを飲むという必要もない。
 
さて、Farewell breakfast。インターネットで検索すると、こういう言い回しが結構たくさんでてきます。お別れの朝食会。日曜ですと、Farewell brunchというのもあるようです。

 

f:id:dufay:20170714105813j:plain

引用中の省略

Ellipses

普通の英語論文では目にしないのですが、総説などでは、普段見かけないような「スタイル」を見かけることがあります。今回は、引用文中の省略。

以下、シカゴ・マニュアルから引用しておきます。

 

1)文中での省略

http://www.chicagomanualofstyle.org/16/ch13/ch13_sec052.html

"When a species . . . increases inordinately in numbers in a small tract, epidemics . . . often ensue: and here we have a limiting check independent of the struggle for life. But even some of these so-called epidemics appear to be due to parasitic worms . . . : and here comes in a sort of struggle between the parasite and its prey."

 

2)文中から文末の省略

http://www.chicagomanualofstyle.org/16/ch13/ch13_sec054.html

"I should be obliged indeed to lessen this respect, if all the nobility . . . are but so many hereditary fools, if the privilege of lords be to want brains, if noblemen can hardly write or read. . . .

Were it the mere excess of your Lordship’s wit, that carried you thus triumphantly over all the bounds of decency, I might consider your Lordship on your Pegasus, as a sprightly hunter on a mettled horse. . . ."
 
1の例では、3つのピリオド . . .
続いて、 . . . とコロン:。
2の例では、3つのピリオド . . .
更に、文末には、4つのピリオド . . .
 
小さな記号ですが、それぞれに意味があります。

21世紀の発音

"banal"

普通は、バナールと発音することが多いと思うのですが、ベイヌルと発音する人がいる。米語とイギリス英語の違いなのかと思っていたら、どうもそういうことでもないらしい。ある番組を聞いていたら、昔はベイヌルと発音する人が多数派だったが、今はバナールというのが多数派になったということでした。バナールというのは、21世紀の発音で、ベイヌルというのは20世紀の発音ということです。その他に、バナルと言う人もいるらしいですが、これは昔でも今でも少数派。

 

www.merriam-webster.com

 

この単語は論文ではあまり使わない単語だと思いますが、研究者関係でも日常ではよく使う。。CC-BYになっていて引用しやすいeLifeサイトのコメントから。。

elifesciences.org

"Maybe It's my 3rd-world country (no-social welfare) vision but I guess those who have not succeed would happily trade their high-level education for a well developed career in a more banal subject. "