実はかなり重複してしまうのですが、私が以前から事あるごとに参考にしているハーバード大学カハール教授であるLichtman先生の「Lichtman's Laws of Oratory」というのを紹介したいと思います。指摘していることに共通点が多いです。つまり、こういうのは、やはり「プレゼンのおきて」みたいなものなのでしょう。リクトマン先生のTEDトークとiBiologyから。
I. start with a blank (black) slide何もないスライドから始めよ。
セミナーなどで最初に美しいスライドなどを見せて話を始める人がいるが、これでは視線がそちらに行ってしまい、聴衆が演者の方に集中できなくなる原因となるらしい。最初は何も見せずに、話を始めると効果的である。これは状況によると思うのですが、注意点として、話とは別に魅力的なものがあると、そちらに気が散ってしまうということに気をつけなさいということなのかもしれません。
II. words on slides are a sign of mental weakness, use them sparinglyスライドに単語があるのは心の弱さの顕れである。多く使うな。
III. avoid information overflow, slides should be as simple as possible情報が多すぎるのはやめる。スライドはできる限り簡単に。
これも、IIと同じようなことですが、図がいくつもあるようなスライドはだめです。小さい図が10個もあるようなスライド、いくつも言いたいことがあるようなスライドは誰もついていけません。せっかく苦労して出したデータを見せたい気持ちもわかります。しかし、よく言いますが、1つのスライドには1つのメッセージだけ。。
IV. front load slides (it's all about the segue)話の途中でブランクのスライドを入れない。
これはパワーポイントなどを使う現在のプレゼンテーションでは、あまりないと思うのですが。。
V. master the room's lights部屋の照明をマスターせよ。
蛍光抗体などで染めた暗い写真を見せるときは、明るい部屋では見えません。会場の照明担当者にまかせるのではなく、講演者自身が照明にも注意しなさいということでしょう。
VI. no powerpoint gimmicks (e.g. flying words, fancy backgrounds, or goofy sounds)パワーポイントで変な仕掛けを使わない。
これはよくあるのですが、見た目はきれいだが見ていると気が散るような背景。模様があるようなスライドの背景はやめましょう。スライドの切替に、スライドが回転する機能。スライドが横から登場する。動いて文字が出現するなど。。そういうこったスライドは作らない。とにかく気が散ります。
VII. know your audience聴衆を知る。
専門家向けなのか、どんな専門家向けなのか、学生向けなのか。よくわかった人なのか。あるいは何も知らない人なのか。あるいは混じっているのか。聴衆がどのような人たちなのか、よく知りなさい。
VIII. the talk should flow logically (i.e. tell a story)論理的に話す。物語を話す。
IX. 100% transmission完全に伝えよ。
ごまかしてしまうようなトークはダメ。切り抜けるために、手を抜くようなセミナーはまずい。時間が足りなくなって、説明をスキップしてしまうようなセミナーはダメ。いつも完璧を目指す。
X. Most importantly, you should always include at least one joke最も大切なのは、少なくとも1つジョークを言え。
アメリカ人などは、プレゼンテーションのために、鏡を見ながら練習して、講演中の話し方の抑揚や、どこで笑うのか、自らの表情まで訓練しているらしいです。ジョークも同じ聴衆にあまり同じものを使うと陳腐化してジョークになりません。
とにかく、プラクティスが重要です。